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車検のコバック・坂井モーター社長が日々のことを書き記します。

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ごぼうそばと労働生産性とワークライフバランス

ごぼうそばⅡ.jpg
先週の月曜日に、天竜の葉月におそばを食べに行って来ました。
ロータリークラブのメンバーで某大学のT先輩が、
ブログに載ってるお蕎麦屋さんにそばを食べに行きたいけど
場所が解らないから一緒に行かないかって誘われたので、
行って来ました。
何しろ、先輩ですからね。
博士論文も見せて頂かないといけないし・・・
おまけに、私の車で私が運転手で行ったんですよ。
T先輩も暗示に掛り易いタイプなのか、私と同じ「ごぼうそば」を
注文しました。
エアコンもない、扇風機もない、おしぼりも出ない、水も出ない、
只々窓からそよそよと流れてくる生暖かい風だけが一服の涼。
そんな田舎の蕎麦屋で、フーフーと汗を拭きながら頂く
ごぼうそばの味は、また格別です。
食べ終えて、駅舎やホームで映画の撮影があった話題になり、
いつもの如く親父と話をして、そろそろかなと思った頃、
T先輩はホームを見てくると云いながらどこかへ・・・
私が勘定をし終えた頃にタイミングよく戻ってきました。
T先輩、ニコニコしながら「また来たいね!」って。
後輩の私は、只々うなずくだけであった。





ここからは、ガラッと話は変わって

先日テレビで外国人技能実習生が待遇の悪さから実習先から逃亡し、その数が4,000人にも上ると報道されていました。
こうした外国人が、不法就労となり挙句は犯罪組織に加担することの無いよう願うばかりですが、
外国人技能実習生を単純作業者として低賃金で働かせなくてはならない企業が有るのが現状でしょう。
何故か?
アベノミクスによって非正規雇用者が増えて格差が拡大しているなどと騒がれますが、
小泉内閣の時も云われてましたね。
時の政権による政策の問題ではなく、時代の変化に適応できない構造的な問題があるように思えます。
日本は、労働生産性が低くOECD加盟国の中でも22位であり、時間当たりの労働生産性も20位です。

日経新聞社電子版の2014年1月13日版に、三菱UFJリサーチ&コンサルティング女性活躍推進ダイバーシティ戦略室室長
と云う長い肩書の矢島洋子さんの「改善すべきは『労働生産性が低い』日本人の働き方」と云うコラムの掲載されていました。
文中、「要領が悪い働き方をしている」と云っても過言ではありません。とありました。
また、ポジションの絡みか、短時間勤務の話題になり、労働時間の総量ではなく、1時間当たりの労働力生産性で
評価するような仕組みの導入が強く求められます。とあった。
そんなに日本人は要領が悪い働き方をしているのだろうか?
労働生産性の上位のベルギーや米国やフランスやイタリア、オーストラリア、スペイン。カナダの人達が
そんなに日本人より要領の良い働き方をしているとは失礼ながらとても思えませんけどね。

要するに、稼ぎが少ない!と云うことですかね。
確かに効率の悪い組織や役職者、職場はたくさん有ることは事実ですが、
本質は、働き方と云うよりも稼ぎ方の問題でしょう。

労働生産性トップのルクセンブルグは、人口48万人程の国ですが、就労者30万の内7万人程が
収益性が高い金融関係に努めているようです。
また、分母の人口にカウントされない労働者が周辺国から働きに来ていると云うことです。
つまり、収益性の高い産業の育成や付加価値の高い商品・サービスの提供が求められるのです。
しかし、99.7%が中小企業と小規模事業者の日本では、ヒエラルキーのトップに君臨する大企業なら兎も角、
常に値下げを求められる下請け企業や過当競争にさらされている中小企業が高収益を上げるのはかなり難しいでしょう。
中小企業の70%が赤字と云う事実が物語っています。

また、日本人のメンタル面にも問題があります。
それは、「良いものを安く」と云う呪縛です。
安いものが良い、安いことが良い、安くすることが良いことだ、との思い込みが、世の中をドンドン貧しくしているのです。
良いものを安く売って、儲かる訳がないじゃありませんか。
高度成長期の呪縛ですね。
先日TVでイタリアのストラディヴァリウス等の高級バイオリンの修理に日本のノコギリが使われていると放映されていました。
そんな高級なバイオリンの修理になくてはならない厚さ0.25㎜ほどの日本の文化と匠の技の粋のノコギリが
2~3,000円程度で売られているのです。
西陣織に使われる杼(ひ)もそうです。
職人と云うものは、えてして金には無頓着ですが、やはりそれでは後継者が居なくなるのは当然でしょう。
これからは、「良いものは高く」「必要なものは高く」「価値あるものは高い」と云うように変えて行くことが求められます。

我々整備業でも同様です。
整備料金は、整備作業ごとに設定された標準工数に時間当たり作業工賃を掛けて請求額を算出しています。
その時間当たり作業工賃、欧米では日本の2倍程度が普通です。

日本の全ての作業料金が安すぎるのです。

例えば、年間労働時間2,000時間の企業が、ルクセンブルグなみの1,500時間に25%減らすとしましょう。
2,000時間の時と同じ仕事量をこなすには、人を33.6%増やす必要があります。
この増えた人員の必要な人件費と必要な経費を得るには、2,000時間の時の1.5倍の利益を上げなくてはなりません。
この1.5倍の利益を、33.6%増えた人員と1,500時間の労働時間で稼ぐためには、時間当たり利益を2倍に
しなくてはならないのです。
そうです、欧米並みの作業工賃にしなくてはならないのです。
言い換えると、今の作業料金を2倍程度に上げていくことによって、欧米並みの1,500時間の労働時間と
豊かなワークライフバランスが得られるのです。

日本のあらゆる業界は、護送船団方式を止めて、価格転嫁ができる企業に変革させる必要があります。
最低賃金を毎年100円づつ上げて行きます。
価格転嫁できない企業・事業者は退場して頂き、価格転嫁できる企業に転職して頂く。
勿論、合理化も効率化も生産性アップも成されていくでしょう。
厳しい人事評価も受け入れなくてはならないでしょう。
企業側からの要求水準も高いものになるでしょう。
しかし、
最低賃金が1,500~2,000円程度になれば、ゆとりある1,500時間の労働時間に近づいて行くことでしょう。

日本は生まれ変わりますよ~!

イノベーションとは、自身はぬるま湯につかり、棚ぼたで得られるものではありません。
イノベーションとは、汗も血も流さずにできることではありません。
イノベーションとは、覚悟と実行によって齎されるものなのです。

今の日本の政治家に出来るかなぁ?
今の日本人に出来るかなぁ?

尤も、企業にとっては、労働時間の短縮も賃上げも同じことだけど、
今の日本なら労働時間の短縮よりも賃上げの要求の方が強いだろうなぁ。
時短ができたら、アルバイトする連中が続出したりして???

矢島さん、如何でしょうか?


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