今回も後ろ廻りの損傷です。衝突被害軽減ブレーキが普及してきても、やはり追突事故は多いと感じます。
損傷の入力は右寄りです。バンパーが外れかかっており、内部損傷がひどいと予想されます。
バンパーを外してみると、案の定バックパネルまで損害が及んでいます。このくらい凹んでいると交換になります。
さらには、リアフロアーや右ランプハウジングまで損傷しており、シーリング剤もはがれています。
修理するとき溶接するため、ハイブリッドシステムに異常が出ないようにメインバッテリーのサービスプラグを外し電圧を遮断します。
まずは粗出しです。今回も人間の力では元に戻らないため、修正機を使用して修理します。
右側の損害が大きいのでテールランプを外し、ランプハウジングも粗出しします。これをしないとバックパネルが付きません。
バックパネルを外したところです。スポット溶接で固定されているため、一つ一つの溶接部をスポットカッターで外します。
リアフロアやサイドメンバも変形があるため、修正機で引き出します。
車には寸法図というものが車種ごとにあるため、寸法を基に引き出して修理します。
フロアの引き作業が終わり、寸法が規定値になったので、新品のバックパネルを溶接しました。
後ろからの追突被害でしたが、外板パネルである右リアのクォーターパネルにまで歪が出ていたため修理しました。
シーリング剤も剥がれてしまうので、シーリングもし直します。これがきちんと出来ていないと錆の発生や雨漏りの原因となります。
塗装ブースにて塗装します。今回の色は染まりが悪く、低隠蔽の塗色だったため下色を先に塗装します。
この型のプリウスはバックドアが大きく塗装の際に固定しにくいです。
塗装が終わったら、赤外線で強制乾燥させます。強制乾燥させないと化学反応が起きずに完全硬化しません。
この車は社外品のバックカメラが付いていたため、古いドアから型を取って穴をあけてカメラを固定します。
リアバンパーも交換ですが色のついた状態で部品が支給されました。
ただ、オプション品のコーナーセンサーが付いています。古いバンパーから型を取って、新品に穴をあけます。バックドアもバンパーも穴をあけた後やり直しは出来ないので慎重になります。
バックドアにガーニッシュがついているので古いドアから移植します。両面テープの剥離が時間がかかり大変です。
組付けして、塗装面を磨いたら外観は完成です。
コンピューターやセンサーに問題があるか目視では分からないため、診断機を使用してシステムチェックをします。
異常コードを何点か拾っていたので、一つ一つ確認後にコードを消去します。
異常コードを消去して、機能的にも外観的にも完璧に修理が完了しました。今回の修理金額は¥550,694円となりました。
板金修理 事例紹介
修理金額は修理当時のものとなります。
物価変動の関係上、現在の金額とは異なる場合がありますので、予めご承知おきください。
2020年08月19日