賃金格差
9月30日付の日経新聞に、2019年の国税庁の民間給与実態統計調査も記事が載っていました。
それによると、19年に1年を通じて勤労した給与所得者数は約4.6%増の5,255万人。
このうち、正社員などの正規労働者は約5%増の3,486万人、
アルバイトや派遣社員などの非正規は約4%増の1,215万人だった。
給与を見てみると、従業員100人未満の中小企業の平均給与が減少し、全体を押し下げる形となった。
事業所の規模別に平均給与をみると、従業員が30~99人の事業所の平均給与は412万円で18年比で約5%減少。
10~20人は404万円で3.9%減、10人未満は340万円で4.9%減少した。
一方、100人以上の企業では増加しており5,000人以上の大企業は516万円と約0.9%増となった。
正規の平均給与は503万円、非正規は175万円で2.8倍の開きがあった。
男女別でみると、男性の平均は540万円、女性は296万円だった。
業種別でみると、「電気・ガス・熱供給・水道」が824万円で1位。
「金融・保険」の627万円が2位。最も低かったのは、「宿泊・飲食サービス」の260万円だった。
一般的にマスコミなどでは雇用期間の定めがない正規社員と派遣などの非正規雇用の賃金格差を問題にするが、
賃金の格差の要因はそれだけではない。
上記にある様に、企業の規模別格差、業種別格差、雇用形態別格差、性別による格差、また地域別格差などがあり
ます。非正規でも、パート・アルバイトと派遣社員では収入は大きく違う筈です。
只、言えることは企業の規模を問わず正規社員の方が雇用を守られていることは事実でしょう。
だからこそ、調整弁としての非正規雇用が存在するのです。
企業を取り巻く環境は常に変化しています。
企業は、環境の変化に適応できる様にすることが求められますが、全ての企業が常にできる訳ではありません。
適応が遅れた時には、社員を解雇せざるを得なくなることが有る筈です。
全ての社員が減給を受入れて復活に向けて頑張ってくれるのか、復活のキーとなる社員が残ってくれるか。
多くの場合、いずれの場合も復活にはより時間を要する様になるでしょう。立ち直れないかもしれません。
日本では、みんなが良くなるように、みんなで助け合おう、という風土があります。
個々人の間では素晴らしいものだと思いますが、競争社会の企業に在っては、
護送船団方式は百害あって一利なしでしょう。
失われた20年、30年は、この護送船団方式によるものだと思います。
菅総理になって、来年からは、最低賃金は上がりますよ。