先週、ある信金の若手営業スタッフに、自動車関連の概況を
話す機会がありました。
そんな中で、これからの自動車産業はあまり良い方向には行かない
だろうと、少し悲観的な話をしました。
私が今危惧していることは、エコカーがエコ(ノミー)ではないことです。
近年、若者の車離れが云われています。
一方では、TVCMでリッター〇〇㎞走行と低燃費車が喧伝され、
燃費競争が激しさを増しています。
何故、若者が車に乗らないのか?
様々な理由があるのでしょうが、その一つの理由に、所有コストが
あると考えます。
例えば、ダイハツのタントcustom Lの車両価格は150万円程です。
オーディオ・ナビを取り付けて購入すると180万円程になります。
この保険料は、全年齢・車両保険込みで年間40万円程になります。
分割にしても、月額7万円を超える金額になり、更にガソリン代が・・・。
20歳位では多分手取り15万円に届かないかもしれません。
月の給料の半分以上を車にだけ掛けられないでしょう。
昨年10月より任意保険の改定があり、事故した場合の保険料が
大幅にアップしました。
今後も、アップし続けていくと思われます。
この原因は、高齢化と自動車のガラパゴス化です。
国土交通省が定めた環境対策として、新車の環境性能の向上対策があります。
〝野心的な燃費基準の策定"として、2020年の燃費基準が制定される予定です。
これに向けてメーカーは走り出しているのです。
燃費向上には、エンジンの性能だけでなく、車体の重量が大きく影響します。
その為、素材の開発だけではなく、スペアタイヤや工具まで外します。
鉄板を薄くする代わりに硬くします。
高張力鋼鈑・超高張力鋼鈑、アルミ、カーボン、マグネシウム等々。
更にエアバックや衝突防止装置などの安全装備が加わります。
しかし、事故は起きるのです。
この修理費用、特に部品代が高騰しているのです。高騰していくのです。
ですから、自動車保険の損害率が高まり、儲からなくなってきたので、
保険代の値上げは必至です。
事故だけでなく、一般のメンテナンス費用も高くなっています。
LEDランプ、1個切れてもアッセンブリー交換になり、2~3万円!?
安全の名を借りた、純正部品の使用義務付けが横行してきました。
反射神経や注意力が衰える高齢者は事故を起こしやすくなります。
こうした高齢者は、近い将来保険にも入れなくなることが予想されます。
顧客不在の製品開発や利益至上主義の顧客囲い込みは、
やがて顧客から見捨てられることになります。
人々に便利に使ってもらえる、喜んでもらえるモータリゼーションを
目指すべきであると考えます。