自民党から民主党へ精魂交代がなされて、すでに1ヶ月が経ちました。まだまだ初心者マークは取れませんがぜひ頑張ってもらいたいものですね。その民主党の閣僚を見ているとまるで中小企業の事業承継を見ているようです。私が社長になったのは、確か40歳だったかと思います。親父は尋常高等小学校を卒業して東京のアート商会という所に修行に行き、戦後裸一貫から修理業を立ち上げました。一方の私は、曲がりなりにも大学へ行き、経営学をかじってきました。経営の本も読み、20代の終わり頃には、小さな商売も起業しました。そんな私が、家業につき、社長を引き継ぐことになりました。親父より絶対に経営の能力はあると思っていましたね。ああしたい、こうしたい、そんな思いとは裏腹に現実は思うようにはいきませんでした。一応社長ですから、対外的な活動は増えるのですが、内情は苦心惨憺でした。自分よりも先輩で年上の社員、中々言うことを聞いてくれません。運転資金が足らなくて銀行へ行っても、信用がないから結局は親父に頭を下げなきゃならない。何だか民主党政権みたいでしょう。
そんな時、私が子供の頃から勤めていた事務員の一言に“はっと”させられました。経営の分析に使いたいので何かのデータを出すように言ったとき、「昔、会長に言われて夜遅くまで表やグラフをよく作ったものよ」と言われました。尋常高等小学校しか出ていない親父が・・・・ 親父がすごく大きく見えましたね。その後も、色々な集まりで「昔、親父さんには世話になったよ」という話をよく聞きましたが、その度に、単なる酒好きの親父かと思っていた親父が、一層大きく思えるようになりましたね。今でもいつか親父に追いつきたいと思って仕事をしています。
“隣の芝生は青く見える”じゃないけど、何でも見るのとやるのじゃ大違いです。
でも改革は若くなきゃできないから、民主党の頭はいいけど世間知らずの青二才さん達、頑張って下さい。大切のものは、マニフェストじゃなくて理念だと思います。
そうは言いつつも不安ですので、私は財政破綻に備えるよう準備をさせていただきます。こういう私は歳を取ったということですかね。