師走の衆院選は、大方の予想通り自民大勝、民主惨敗と云う結果になりました。
これで日本は良くなるんでしょうかね?
自民党の顔ぶれをみると、新たに当選した若い方々も居ますが、
相変わらずの族議員風の方々も居りますから、3年半前に戻るだけの様な
気がします。
さて、前回のブログに社会保障制度改革の件で、国民に負担を強いることができるか
どうかと書きました。
なぜならば、年金制度の改革はとても重要ですが、既に破たんしているからです。
どういうことかといいますと、日本の年金制度は確定給付、即ち受け取る額が
予め決まっているからなのです。それも5.5%の運用利回りでです。
今の金利は、定期で0.03%位ですかね。国債でも1%を割っていますからね。
民主党政権で月額最低70,000円支給と云われましたが、必要額を
逆算してみましょう。積立ですから複利運用と考えます。
70,000円/月額×12か月×5.5%(複利運用)×30年(受給期間)=12,208,346円
が必要になります。つまり、1220万円の積立金額があれば5.5%で運用しながら
30年間受給ができるのです。
この金額を積み立てるにはどうでしょう。国民年金額を参考に計算してみると
15,000円/月額×5.5%(複利運用)×40年(積立期間)=25,941,406円
充分可能ですね。
しかし、今は0金利と云われて20年。
積立は、15,000円/月額×1.0%(複利運用)×40年(積立期間)=8,887,543円です。
一方の受給額は、
70,000円/月額×12か月×1.0%(複利運用)×30年(受給期間)=21,678,475円
が必要になります。大幅な赤字です。
このことが、年金制度の問題の根幹なのです。
確定給付をやめて受給金額を減額するか、受給開始年齢を引き上げるか、
掛け金を上げ続けるかしかないのです。
医療制度も同様です。
医療制度の危機の問題は、
1つ目は高齢化です。
2つ目は医療技術の進歩です。
3つ目はフリーアクセスといわれる受診機会の自由によって、受診の梯子が
起きている。
4つ目は検査・治療・投薬の無規制。3つ目と4つ目によって
重複検査や不適切治療、過剰投薬が行われる原因になっています。
受診と検査・治療・投薬が一体的に行われ審査できるようにしなければ、
医療のモラルハザードは解消できません。
5つ目は開業と診療科目の無規制。
6つ目は診療報酬の開業医への偏りと薬価基準の不透明さ。5つ目と6つ目は、
病院の赤字化や勤務医・看護師の過重労働などの原因となっています。
7つ目は診療報酬明細(レセプト)のオンライン請求等の不備。
などが上げられます。
医師会の推薦を受けた自民党の先生方に、こんな改革ができますでしょうかね?
期待します。